私たち介護サービス事業所の展望(2015/5/29)
2015年05月29日
今回の介護保険収入が大幅に下げられたことは、皆さんもご承知のことと思います。
多くの介護事業者はコストの削減に力を入れていることでしょう。無駄な電気や無駄なものを買わないなど。ひょっとすると、中には本当に必要なものまで削らざるを得なくなり、介護事業所も息を詰まらせてしまうことがあるのではないでしょうか?
これから介護保険サービス事業者が生き残っていくためには、介護保険外サービスいわゆる、自主事業・自費事業をすすめていくしかないと考えています。介護保険の収入をあげていく中で加算の取得に向けた取り組みが活発に議論されています。
加算は、与えられたもので厳しい人員配置基準、必要書類等の整備が含まれていますので、介護保険サービスだけで生き残ろうとすれば、相当な労力は必要で加算一つとるだけでもかなりの周到な準備と心がまえをしなくてはいけません。
具体的に言うと正看護師を増やす、介護福祉士の割合を増やす、医師の所見、意見書。どれをとっても時間と労力がつきものです。これは、皆様から頂いている税金という税収が元なので、加算構造上仕方のないことです。
看護師が辞めてしまったから、看取り加算が取れなくなった。異動したから〇〇事業所の介護福祉士の割合が少なくなったので、収入が少なくなっていってしまったこともあります。加算を取得するために相当な労力が強いられるわけです。
職員の質を上げるためには必要な事ではありますが、今の介護保険制度は残念ながら、加算を取るための介護事業になってしまい、本来見なければいけないところが見えなくなってしまっているのが現状ではないでしょうか。
次回の報酬改定(二年後)は、医療と介護のダブル改定です。報酬が改善されるとはとうてい思えません。そこで、着手すべきは介護保険外サービス事業(自主事業)となります。ハードルの高い加算は、人件費の高騰など高コストの原因となります。
自主事業開発がまず、先決で、どこでもやっていないものをやっていく。他事業所、異業種を巻き込み、上手に住み分けしていくことが大事だと考えます。
福祉+異業種の考え方が大切であり、異業種の知恵を借り、頭を柔軟にさせていくことで新しい取り組みが始まる。何事も新しく始めるのは大変ですが、きっかけをつくり、事業が動き出せば、外からの協力を得ることができます。何事も新しいことに対しては、取りかかり始めはコストがかかって当然。
まずやってみて、どうなのか?介護事業者として生き残っていくための手腕は経営者の考え方次第ではないでしょうか?
※2015年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。