地域力を磨く(2011/3/25)
2011年03月25日
数年前のある運営協議会の中で冒頭、委員長が『これからの福祉は地域力が重要であります。行政と住民が力を合わせて行きましょう。』という力強い言葉がありました。このとき初めて地域力という言葉を意識し、改めて重要な言葉であることを知りました。
では、この地域力という言葉はどんな意味合いを示しているのでしょうか。いろいろ調べてみましたが大抵、次の通り定義されています。
地域力とは、『地域社会の問題について市民や町民、企業をはじめとした地域構成員が、自らその問題の解決や地域としての価値を創造していくための力』だそうです。
地域力の概念は、それぞれの地域で地域防災力、地域教育力、地域子育て力などいろいろな意味合いでも使われているようです。総合的に考えたとき、地域福祉力という言葉が適している気がします。
私たちも地域で見てみると、行政主導型あるいは地域の民生児童委員さん、区長さんなど主体的に動いています。地域の中心的役割を担っている人が、活動的に行動しているということは大きな意味合いがあります。
せっかく区長さん、民生児童委員さん、行政等が素晴らしいものを提案し、計画したとしても一個人としてあるいは一法人としてその期待に応えるべく行動に移さなければ、ただの計画に終わってしまいます。計画し、実行し、成果が出て初めて実感でてきます。行動することでその計画の有効性がはじめて議論できるのではないでしょうか。
計画は机上論ではいけないと思います。実効性のある計画が重要であり、いかに住民が賛同できるかによると思います。地域住民と区長さん、民生児童委員さん、行政等が協力すれば必ず地域力は向上し、磨かれるはずです。その思いを発言する機会がなければ行政にもなかなか伝わりません。地域住民の皆さんの日頃の思いを、いつどこに話をもっていけばいいのかわからないのが現実だと思います。
やはり地域の実情を知っているのは行政ではなく、そこに住んでいる住民の方しかわからないはずです。国勢調査などさまざまな調査がありますが、一過性の調査だけでは本当の実情は把握できないのではないでしょうか。地域住民の思いが実現できてはじめて地域力の向上につながると思います。
グリーンヒルみふねの法人母体は社会福祉法人です。社会福祉法人であるが故に、宣伝あるいは啓発活動についてさまざまな制約があります。しかしながら、社会福祉法人の役割は地域住民の方が安心して暮らすことのできる最期の受け皿として存在しているはずです。特に一人暮らしのお年寄りなどは介護保険制度の利用方法をご存じない方もいると思います。
啓発活動を含め、地域力の一構成員としての役割を果たしていきたいものです。
※2011年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。