多職種協働の精神で選ばれる施設の実現を(2011/3/25)
2011年03月25日
利用者の方が安心して介護サービスを利用する上で、さまざまな専門職種が存在します。グリーンヒルみふねでは産業医、ケアマネージャー、生活相談員、介護職、看護職、栄養職、調理職、事務職等の専門職種が多数あります。
当然のことながら各専門職だけでは利用者の方を支えることはできません。ケアマネージャーが本人、ご家族の意向を反映し、各専門職をコーディネートし、その人に合ったケアプランを作成し、それに基づいたケアをするわけですから連携は欠かせません。
われわれ介護の現場では、連携あるいはチームワークという言葉が頻繁に出てきます。
私も『職員間できちんと連携をしてください』とよく使います。言葉では単純な二文字ですが、辞書などで調べると『同じ目的を持つ者が、互いに連携を取り、協力し合って物事を行うこと』とあります。介護の世界では利用者の生活を支えることがここでいう『同じ目的を持つ者』に当てはまるわけです。非常に奥深く、改めて連携の重要性を感じます。
連携がとれている、とれていないと感じる場面がよくあります。では、どんなとき、連携がとれていないのでしょうか。場面は様々ですが、大抵は自分の立場(いわゆる職種)から相手に話をするため、自分の都合のいいように解釈して物事をすすめる傾向にあります。
伝える側としては、相手がそのことについて分かっているつもりで話をするので、言葉足らず、あるいは説明不足であったり、それにより相手の返答や行動が自分の期待を下回ったとき、多くのストレスを感じ、やがて感情的になり、さらにエスカレートすると『わかってくれないからもう言わない』『言うだけ無駄』ということになってしまいます。
介護保険の特性上、専門職種が重要視されるがゆえ、専門職として他の職種分野はあまり知らないことが多いようです。そういった知識不足からくる連携不足は深刻です。他の専門職種はどんな仕事・役割・責任があるのだろうか。他の職種の一日のタイムスケジュールはどうなっているのだろう。
こういったお互いの情報を共有するだけでも『思いやりの精神』が生まれてきます。このようなわれわれの職種間連携不足は利用者に最終的に迷惑がかかっていることを忘れてはいけません。物事は何事にもベスト(最善な方法)で進んでいけばいいのですが、時には専門職同士お互い妥協しなければならない場面が必ず出てきます。私の理想とするチームワークのあり方はベスト(最善な方法)よりもベター(比較的いい方法)でいくことです。
お互いが話し合う場面が多ければ多いほど専門的な視野も広がり、『こんな考え方もあるんだ』とはじめて他の専門職を認めます。自責はなかなかしないものですが、他責にすることが意外に多いのではないでしょうか。相手よりもまず自分がどうあるべきなのか。その答えが出たとき、初めて他の職種にモノ申すことができるのではないかと思います。
『多職種協働の精神』で職員一人ひとりが利用者にかかわっていくことで選ばれる施設に一歩一歩近づいていくのではないでしょうか。
※2011年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。