家族のきずな(2011/01/11)
2011年01月11日
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。私たちグリーンヒルみふねの職員は日頃、入所者・利用者の方といつも一緒に過ごしています。時には一緒に笑い、時には一緒に泣き、ご飯を食べるとき、お風呂に入るとき常にどこかで利用者の方と接しています。
ある風景を見てハッと気付かされた場面がありました。
それは何気ない一瞬なのですがご家族が面会に来た時でした。何気なく会話をしていると思うのですが、利用者の方が家族に話しかけられていた時、あるいは曾孫ちゃん、お孫さんと話している顔が本当に優しい表情をしているのに驚かされました。ふだん私たちの前ではあまり見せたことのない優しい何ともほほえましい表情です。
当り前ではあるのですが、これが家族なんだなと感じました。
私たちは日頃、家族同様に利用者・入所者の方と接しているのですが、私たちにできることとしたら三大介護(食事・トイレ・お風呂)と24時間の絶え間ない介護サービスしかありません。また、少しでも楽しんだり、喜んでもらおうといろいろなレクリエーションや年間行事(正月など)を工夫して取り組んでいます。
しかし、利用者・入所者の方にとって本当に生きる力や生きがいを感じているときはご家族と接している時ではないのかなとつくづく感じました。
ありがたいことに、ここ数年、グリーンヒルみふねの面会のご家族の方が増えてきて本当に感謝しています。入所者・利用者の方は日頃から、『本当は家族の方に会いたいな。話したいな。』きっと思っているはずです。
本人にとってもよい刺激になりますし、私たち職員もご家族の方とお話しできる機会が増えますので双方にとって好ましいことです。どんなに寝たきりの方でも面会に来たご家族はわかります。
『きっとわからないから・・・・。』という思いは誤解です。五体満足な健常者の人が感じる感覚ではないでしょうか。
2カ月に1度、平成音楽大学より音楽療法士の先生が来て、音楽療法をしています。寝たきりの利用者の方にも参加していただいていますが、好きな音楽なのか聞きなれた音楽なのかは分かりませんが、目を動かしたり、指先でリズムをとったり本当に微妙な動きなのですが体のどこかで感じているのです。
それを見たとき驚きました。体を動かすことはできないけど、体で感じることはできるんだ。と確信した瞬間でした。
家族の方と入所者・利用者の方が話しているのを見たとき、家族のきずなを改めて感じます。面会いただけるご家族が多くなり、利用者の方々に活気が戻ってきました。
私たち職員は、家族にはなれませんが、『もう一つの家族』として入所者・利用者の方と接することはできます。入所者・利用者の方を『ご家族』と『もう一つの家族』で支えていけば、よりよい入所生活を体感していただけるのではないでしょうか。
※2011年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。