『感謝の言葉』(2010/10/27)
2010年10月27日
わたしがこの仕事に就いて、とても辛くて嫌なことがひとつだけあります。それは、利用者の方あるいは入所者の方とお別れをしなければならない時です。毎回、式に参列するたびに涙してしまいます。私たちが利用者の方や入所者の方とかかわっていくうえでいつかお別れをしなくてはならない時が来ます。わたしの心のどこかで受け入れることができない自分自身がいます。
わたし自身も約4年半現場の生活相談員として勤務していましたが、その当時の利用者の方とお別れするときもあります。ご家族になんて声をかけていいのか、いつもわかりません。そんな時、ご家族の方から『今まで本当にお世話になりました。グリーンヒルの職員さんには本当によくしていただきました。故人も喜んでいることと思います。』ご家族の皆さんより温かい言葉をいただき、さらに悲しい思いがこみ上げてきて泣いてしまいます。
『日々のケアの中で本当にこれでよかったのかな?もっと他に何かを望まれていたのではないか?ひょっとすると、職員自身の自己満足かもしれない。』
私たちは、お別れするとき常にこのことを考えさせられます。以前、広報誌にこう書きました。『介護には答えがない・・・・。』しかしながら、ご家族の皆さまから温かいお言葉を聞いたとき、私たちは救われます。『あ~、今までやってきたことは間違っていなかったんだな。』ご家族の『ありがとうございました。』や『本当にお世話になりました。』この言葉を励みにより一層、レベルの高いケアと温かいケアの実現を目指さなくてはいけません。
日々、三大介護やレクリエーションなどをしている介護職。利用者、入所者の健康管理をしている看護職員と嘱託医師。全ての意欲につながる大事な3食の食事を作る調理職員、料理の献立や栄養状態を把握している栄養士、管理栄養士。最近、栄養課は大手取引業者の全国の料理コンクールでみごとレシピ賞を受賞しました。なんと全国で100数十社のうちのベスト6に選ばれたのだから大したものです。
周辺の施設より研修依頼や講師依頼も来ているようです。これも、日々利用者、入所者の方のためを思って、『喜ばれる食事を目指して』やってきたことが評価された証だと確信しています。また、ご家族や利用者の皆さんの貴重な意見を吸い上げ、業務に生かす生活相談員。利用者、入所者の方がより快適に過ごすためにケアプランを作成するケアマネージャー。
日々、電話の応対や面会されるご家族への対応やお金の計算をしてくれる事務職員。利用者、入所者の方々を支えているのはこれら専門職です。どの職種が欠けてもその方の生活を支える事は到底できません。私は代表として式に参列しているだけであり、日々の業務として職員や利用者、入所者の方を見守ることしかできません。
人は必ずどこかでつながっています。つながりがどこかで切れてしまうと関係を保つことはできません。これからも感謝の言葉を励みによりよい施設を目指したいと思います。
※2010年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。