『認知症になっても安心して暮らせる町づくりフォーラム』を終えて(2011/02/11)
2011年02月11日
去る、平成23年2月5日(土)にカルチャーセンターホールで御船町主催の認知症フォーラムが開催されました。
何かのご縁で私も発表者として、参加させていただきました。たくさんの方々が会場に出向いており、御船町住民の皆さんの認知症に対する関心の高さがうかがえました。フォーラムの中では、認知症の方がいる家族の立場、施設の立場、介護予防の取り組み、小学校の取り組みの計4つテーマで発表されました。
私は施設の立場で話をさせてもらいましたが、どちらかというとわたし自身の実体験を通じて、認知症の方とどうかかわっていくかという内容でした。1対1のふと何気ない会話・・・。『わたしゃーボケとらん!!家があるのに何で帰れんと!!私があんたに何かしたとね??』利用者の方が、私の目の前で突然泣き崩れたとき、どう声をかけていいかわかりませんでした。
ほんの数秒の出来事でしたが、わたしにとって、時間が止まった感じがして、長い時間考えさせられた気がしました。自分のやったことは間違ってる??本人のことを考えてのグループホーム入所だったのか?自問自答しました。当然、第三者である私には答えを出すことはできません。人を援助する難しさを痛感しました。
この利用者の方の言葉をきっかけに、利用者の方の自己選択はどうなのか?いま私たち職員が行っている介護サービスは自己満足であり、押し付けになっていないか?日々そう考えるようになりました。このような実体験を通じて、私たち施設職員は利用者の方からあるいはご家族の方から学ばせていただいています。
いま、行っている介護は本当に利用者の方が求めているものなのか?また求められたことにどこまで対応できるのか。それはまさに個人レベルで終わるものではなく組織として取り組むべき課題です。
また、わたし自身、職場の人間関係も重要な取り組むべき事項であると思っています。当然のことですが職員ひとりひとり個性があり性格も違います。職員がお互いに思いやりとやさしさを感じていなければ、職員同士の連携が取れず、マイナス要素で利用者の方やご家族の方に伝わるでしょう。
その様な場合、特に厳しく対応しています。職員同士おたがいさまの精神で勤務していれば、幸せや楽しさ、はたらく生きがいを感じることができ、利用者の方もきっと幸せや楽しさを実感できるはずです。
職員個人の成長は組織の成長につながります。組織の成長は利用者の方の満足度に比例するはずです。施設も地域の大切な社会資源であることを私たちひとりひとりが認識し、決して慢心することなく日々挑戦し続けることが、地域貢献につながってくると確信しています。
認知症フォーラムを通じて15分という限られた時間でしたが、皆さんといっしょに認知症について考えることができたので、非常に有意義な時間でした。これからも地域の皆さんと福祉について一緒に考え、共に成長し、住みよい町づくりのお手伝いをしていきたいものです。
※2011年のグリーンヒルみふね旧広報誌に掲載されたものです。